2009年02月10日

原文の語順を訳文に反映させることの是非

「母は蟹を食べた」をエスペラントに訳せば、普通は

Patrino mangxis krabon.

となるのでしょうが、日本語の語順に対応するように

Patrino krabon mangxis.

としても間違いではないことになっています。では「母は北海道で蟹を食べた」だったら、どうでしょう。 「北海道で」を意味する"en Hokajdo"は、文中のどこでも好きなところに置けるのでしょうか? 文頭や文末に置いて

Patrino krabon mangxis en Hokajdo.
En Hokajdo, patrino krabon mangxis.

とするのは問題はなさそうですが、主語の後に置いて

Patrino en Hokajdo krabon mangxis.

としても、意味は変わらないのでしょうか。"en Hokajdo"が直前の patrinoを修飾しているように見えてしまって、mangxisを修飾しているようには見えにくくなる恐れはないのでしょうか。その心配がないのであれば、上の文はきれいに日本語の語順に対応しているので、翻訳の手順は非常にシンプルになります。

「北海道で」は動詞の「食べた」しか修飾できないのに対して、"en Hokajdo"は副詞的にも形容詞的にもふるまえるところに問題の根っこがあります。日本語からエスペラントに訳した文の意味を取り違えられないようにするには、やはり誤った解釈を許すような余地をなくしてしまうのが一番です。

エスペラントでは主語と目的語と動詞の順番は自由に決められますが、語順の自由性はあくまでも三者の間での話であって、三者以外の語句が割り込んでくることまでは許容していないと思います(国連のコア・メンバーである常任理事国みたいな存在)。

日本語の「母は北海道で蟹を食べた」で特別な存在は動詞の「食べた」だけです。残りの「母は」「北海道で」「蟹を」はまったく平等であり、「北海道で」だけを格下に扱わねばならぬ理由は見つかりません。

エスペラント→日本語の翻訳では原文の語順を訳文に反映しても問題はなさそうですが、日本語→エスペラントの翻訳ではそれは避けて、すべて無難なSVO語順で処理するのが得策だろうと思います。



posted by アキラ at 21:16| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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